全てが魔力で統治されてしまうこの世界は、科学でしか世界を作り上げることができない俺には全く不似合いだと、自分でも思うぜ。
この魔界は科学を愛している俺には到底理解できない世界だ。全く。
それに俺は不思議でならないんだ。
何故この世界の住人は、魔力に疑問を持たない?
何故この世界は、科学に基づく理論が発達しない?
技術も、文化も、そうだ。何故奴らは、世界を解明しようとしないのか。
全てが不思議で片付けられる世界なんて―――全く、ナンセンスだぜ。
ナ、ン、セ、ン、ス!!
何故この世界に生れ落ちた瞬間から、住人には魔力が備わっているのか?
『それがこの世界の常識だから』
何故この世界の住人は科学を必要としないのか?
『科学が無くてもこの世界は立派に機能しているじゃないか』
疑問に返ってくるのはそんな思考力をなくした愚かな言葉ばかり。
ナンセンス!!
全く、何て理解できない奴らだ!
科学こそ文化。
今奴らが少しだって解明できていない魔力だって、科学の力で解決してみれば―――世界はもっともっと広がりを見せるんだぜ?
世界を解き明かせるんだ。
それって素晴らしいことじゃあないか!!
あ、おい、なんだよその顔。すっげえつまらなそうな顔してるな?
よし、見てろよ。ためしにこの実験を見せてやる。
いくぞ、本当にいっちゃうからな。
離れていろよ、この実験は少しばかり危ないからな。
あ、何だよその顔!
見てろよ、絶対すげーんだからな!!
子供みたいとか言ってんじゃねえ、テメエも子供だろうが!
よーし、よーし良い感じだ。そこにこの魔力を少しばかりくわえてやると…ギャアアアアア!!!
…………………………………。
…ま、まぁ、今のはちょっとした計算ミスってヤツだな。
しかし見ていろ?
俺はいつかこの世界を解き明かしてやるよ。
そこの退屈そうなガキ共も俺をイカレた目で見やがる頭が退化したジジイ共もいつか俺がこの世界を解き明かしたとき、精々驚け!!
科学こそ、真理!!!
楽しそうに語った科学者の瞳は子供よりももっと幼くて、純粋な好奇心に満ちていた。
M2が超好きです。あーいうオヤジが非常に好きなんですよね…
映画のお茶目な仕草がたまらんです。あと最後の方の円陣で戸惑ってる姿とか!!
可愛い…可愛いです。たまらんですM2。