この手で世界に終わりを告げられると思っていた日。
俺は、逆に世界から、半身との関係の消失を告げられた。
あれから当ても無く俺は彷徨い歩いている。全く、それはまるで目的がない亡霊のように。
こんな俺を見てお前は如何思うのかね。
あきれるだろうか。怒るだろうか。
(いずれにしても、もう消えてしまったお前の表情を予測できるほど、俺の想像力は豊かじゃなくて、お前の表情を鮮明に思い出せるほど俺はお前を刻み付けていなかった)
とりあえず、今の俺の手は驚くほど空っぽだよ。真っ白な肌にただ血管が青白く浮かんでいるだけ。それだけだ。
なんの重量感もなく、ただ重力と惰性に従ってだらりとぶら下げただけの肉体の一部分に成り果てた右腕から、少しずつ麻痺していくように感覚がなくなっている。
なのに。
なぁ、それなのに、この身体はまだくたばることを許してくれないんだぜ。
本当に、辛くて悲しいことだと思わないか?
だって、一度は世界の果てを見てしまったんだぞ。何もかも、掴みかけてしまったんだぞ。
もうすぐで、思い切り世界を塵箱に丸めて捨ててしまえるところだったのに。
それなのに、楽しみと夢を打ち砕かれたところか、お前という半身まで失っちまった!
全く、酷いと思わないか。なぁ!
だって、誰が何を責めたって俺もお前も悪くないのに。
だって、お前はお前の夢をかなえるために、俺は俺の夢をかなえるために。
自分の感情に何よりも誰よりも正直に動いていただけなのにな。
―――なぁ、リオウ。俺もお前も悪くない。
だって悪いのは、この世界と美しい人間たちなんだろう!?
なぁ、リオウ。
こんなになってまで生きてゆくのは、とてもひどいことだと思わないか?
お前だって今そう思っているだろう?
(だってお前は違う世界に産み落とされた俺の半分なんだから!)
嗚呼俺たちは悪くない、何にも悪くないのに。
無理矢理また美しい世界で生きなさいと神様に命令されちまった!!
日記に書いたんですけど結構のって書けた文なので載せてみたり。
バニキスって空っぽな人だといいなぁ、とふと思ったり。
次はそんなお話書きたいなぁ。